旅と日常のあいだ

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南極旅行13 乗船3日目、追い風のおかげで南極上陸チャンスが到来

乗船3日目、2月22日。夜中の揺れは思ったほどではなく、おおむね朝まで熟睡。テーブルの上にあった薬やティッシュケースは全部床に落ちてたけど。

◆ひとつ前の記事(南極旅行12 ドレーク海峡の揺れっぷりと、初ディナー(不完全燃焼

8時起床、窓の外は晴れている。海しか見えないので移動の実感がわかないが、どれくらい進んだのだろう?

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朝食会場で、顔見知りになったスタッフのMr.エリックに「おはようハネムーンのふたり」とウィンクされる。メニューには、昨日はなかったフレンチトーストが増えていた。わーい。むしゃむしゃ食べていたら窓際から「氷山が見えるぞ」「クジラがいる!」というざわめきが起こった。そそくさと朝食を終えてデッキに出てみる。

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遠くに氷山を2つ発見。クジラ本体は海の中で見えないけれど、垂直に噴き上がる水しぶきは見えた。カモメの群れも。船内放送で「初めての氷山が右側に見えます」との案内があり、いよいよ南極に来たのだなと気持ちが高まった。ちなみにデッキは風がめちゃくちゃ強かった。船内スタイルは長袖ヒートテック+セーターだけど、デッキではこの上にフリースの上着を重ねて、ニットの帽子と手袋を付けて、それでも寒くて寒くて顔が痛かった。

この日は朝からいい知らせがあって、船がドレーク海峡を渡りきったこと、追い風のおかげで早めに進んだので午後には南極に上陸できる見込みであることが発表されていた。もともとは今日いっぱい航行の予定だったのが、半日早めの到着という幸運。代理店の日本人スタッフも「これはラッキーです!」と興奮気味であった。

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操縦室に行って、海図を見たり写真を撮ったり。上陸予定地はグリニッジ島にあるフォートポイント(Fort Point)。それらしき島影が小さく見えた。岩山のようなゴツゴツした岬。

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午後の初上陸を楽しみに、午前中は南極講座を聞く。テーマは「雪と氷河」。南極大陸の、特に西側では溶けたり割れたりしてどんどん氷河が減っているそう。あと、地球上の水の少ない地域、たとえばドバイとかが、氷山をそのまま引っ張っていって当地で水として利用するという計画を立てたりしているらしいが、講義の先生いわく「氷山を引くためにどれだけの二酸化炭素が排出されるかを考えたらバカバカしい話」とのこと。ふむ。

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講座終了から昼食までは、ラウンジでお茶を飲んだりデッキから景色を見たり。自分の部屋で、練習のため(?)上陸用の服を着込んでみたり。島がぐんぐん近づいてきて、デッキからも氷の側面の青いのが間近に見えて、わくわくが高まるのだった。ランチの前に、船は上陸地点の手前に停泊。

ランチビュッフェの中ではパエリアが異様においしかった。揺れる海峡を越えて内海に入ったことの安心感からお腹がすいたのか、しばらく食べていないコメへの渇望感なのか。一方、デザートにとったレモンタルトは舌が焼けるほどの激甘だった(前日のお昼のラズベリータルトも激甘だった。パティシエの甘みセンサーに疑義あり)。さて、時刻はただいま13時。14時からは待望の船外活動ということで私も夫も気分は上向き、部屋に戻って準備をしよう。このあと、残念なことになるとはまだ知らない私たち。