旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


雪降る北陸の歩道事情と、山岳会への扉

数週間にわたり、降って積もってまた降って、を繰り返している北陸の雪。生活してみてわかる大雪の大変さ、恐ろしさってあるなあというのがこの数日の感想だ。ニュースで見る「車の立ち往生」「物流ストップ」「水道管が凍る」だけじゃない、こんなところにこんなワナが!という大変さ。体験として、しみじみ感じるのは徒歩移動の困難さ、である。

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雪の積み上がった歩道。一人分の道幅しかないけど、平らになっているだけまだマシだ。ひどいときは、膝まである誰かの踏み跡をそのとおりに脚を差し込みながら進まねばならない。もっとひどいときは、自分が一人目となって道なき道に突っ込まねばならない。

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歩道の雪量が多いのはバス停も同じだ。歩道と車道の間には雪の壁が出現しており、ここを超えていかねばバスに乗れない。雪壁よりもバスのほうが低く見えるのは撮影アングルのせいではなく、現実問題としてそうだから。足場の高い雪の歩道からよいしょと雪の壁を超え、その先、30~40センチくらい低い位置に車道の路面がある。バスに乗るとき、「バス内のステップを上がって乗る」といういつもの動きにはならず、「雪のステップを下りながら乗る」という状態だ。杖をついたおばあちゃんとか、雪の壁から転がって車体の下に滑り落ちちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしてしまう。おばあちゃんでなくとも、私だってそうだ。雪の足場からバス内へ、手すりをつかんで「えいやっ!」と飛び乗るような感じだからな。もう必死。

そんな雪まみれの日常の中で出会いがあった。雪かき作業のときには登山用の服を着ているのだが、その日もパタゴニアのウェアで猛然とスコップをふるっていたら、同じく雪かき中であった近所のおばさまから「あなた、登山をするの?」と声をかけられたのだ。

「パタゴニアを着ていらっしゃるから、山に行くのかなと思って」と言う。登山はしないが街着としてパタゴニアを選ぶ、という人だってたくさんいるだろうに、なぜ私は最初から山女だと思われたのであろうか。おばさまは上下モンベルを着ており、「これはもう山では着なくなったお古」とのこと。これまでの登山話になり、彼女が所属しているという山岳会の話になり、気づけば「よかったらぜひ事務所に遊びにおいで」ということになった。山岳会。実はちょっと憧れる響きだ。雪かき運動でトレーニングを積んだうえで、春になったらお邪魔してみようかな?