旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


秘境の奥大井湖上駅と、トーマス人気の千頭駅と

絶景の駅として知られる、大井川鐡道井川線奥大井湖上駅」へ行った。ダム湖の上に鉄橋が伸び、その途中の小さな陸地に小さな駅舎がある。これを見下ろせる場所まで、駅から片道15分程度の道(しかもものすごい上り坂)を急いで往復する。戻りの列車までは45分間ほどしかなく、それを逃したら次は1時間後かもっと後か。

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冬の昼下がり、湖面はやや濁っていたけれども日差しを受けてキラキラとして、絶景なるかな。ここは一体どこなのかという秘境感もあって満足した。駅に戻る道(今度は急な下り坂)は大変だったけれども。

井川線の途中には日本一の急勾配区間がある。これを登るため、坂道専用の歯車を付けたアプト式列車を採用。運行しているのは日本でここだけだ。ほかに、今ある線路とは別にダム湖に沈んだ旧線路や旧駅があったこと、その線路の一部が車窓に見えること、途中のとある駅では周辺に人家が4軒しかなくそのうち3軒の名字が駅名と同じであること(個人情報丸出しではないのか?)などが車内放送され、ネタの宝庫で楽しいのだった。

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井川線用の列車。

大井川鐡道といえばSLが有名で、最近ではトーマス号が大人気。千頭駅ではちょうどクリスマス仕様のトーマスと仲間たちが並んでいた。ますます、ここは一体どこなのか?という情景である。

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トーマスと仲間たち。

ちなみに私はトーマスについてまったくの無知であり、誰が誰だかわからない。複数台が並んでいても、顔の区別がつかないレベルだ。この青い機関車を見て「トーマスだ」という同行者に対して、「なんでわかるのか、別の誰かじゃないってどうして言い切れるのか」と尋ねてみたが、むしろわからないほうが不思議だというような反応をされてしまった。私の中にはない「絶対的トーマス像」を、あなたは持っているということか。私はリカちゃん人形とそのおともだちの区別がつくが、見分けられない人もいるのと同じことか……などと理屈をこねまわしつつ、ともかく、何台もいた「トーマス関連のやつら」を眺めた。千頭駅では「トーマスフェア」が開催され、家族連れで一帯はおおにぎわい。さっき行った奥大井湖上駅の、無人駅だわ乗降客が数名だわとは大違いの世界である。

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しばらくして、そのうちの一台がお客さんを乗せて出発。これはトーマスですな。周りのちびっこもトーマストーマスって言ってたし。