山梨銘菓、桔梗信玄餅。おいしいよね!たっぷりのきなこに埋もれたお餅をほじくり、黒みつをからめて食べるあのお菓子。どんなに上手に食べようとしても、自分の息で少なからずきなこを吹き飛ばしてテーブルを汚してしまう、あのお菓子。
こないだ、久々に食べる機会があって、「これはうまくできているものだなあ」と思ったことがあった。
透明のふたに、黒みつの容器がのっています
黒みつを取ると、ふたにくぼみがあるのがわかります。必然的に、その下のきなこにもくぼみが生じています
くぼみに黒みつを入れたところ。それはもう、このくぼみを活かすしかないよねえ?ここに黒みつを入れるべしという、その意味でのくぼみだよね?
昔からこんな形をしていたのかどうか覚えていないけれど、黒みつ自体が作っていたそのくぼみに再び黒みつを流し込むという、自然かつ迷いのない誘導を、なんというか、たいへん気持ちよく感じたのだった。
まあ、迷いなく黒みつを入れたところで、その下にある餅をびよーんと持ち上げて口に運ぶ過程でどうしようもなくきなこが舞ってしまうという不格好さはどうにも改善されないわけだけれども。
いずれにせよ、桔梗信玄餅は非常においしい。お餅がなくなったあと、容器に残ったきなこにわざと少し残しておいた黒みつを混ぜて練り、きなこ団子のようなものを作ってきなこすべてを完食するところまでが、このお菓子だと思ってる。