旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


横浜の喫茶店、時が止まったような「コーヒーの大学院」

横浜は関内駅より徒歩5分の場所にある喫茶店、「コーヒーの大学院」。入るのにちょっと勇気が必要だった。私には入学資格があるのだろうか?と。 大学院には独自の美学があふれまくっていた。

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店に入って案内されたのは、通路を突っ切った奥にある「特別室」という部屋。そこにしてくださいとお願いしたわけではないのだが何でだろう。特別室には、中央に大テーブル、まわりにいくつかの小テーブルがある。私たちは一段高い場所にある丸テーブルを使った。その周囲を彩るのは、

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なまめかしいヴィーナスとステンドグラス。

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シャンデリアと天井装飾。

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モザイクタイルの壁とブロンズのライオン。

なんというか、多くの人が心の中に描いているであろう「ゴージャスでハイカラできらびやか」を、そのまま形にしたような装飾の数々。「貴族の邸宅にあってほしいもの」が全部そろっている感じだ。貴族の邸宅になど行ったことがないのにそう思ってしまう、コテコテでキラキラなこの世界観。 廊下には金属製の中世騎士像も立っていた。銀色の甲冑と鉄仮面をつけたやつね。そうでなくっちゃね!

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椅子の背にもいちいち「大学院」と刻まれている。そうだった、私はいま大学院にいるのであった。このひじ掛けの曲線美。

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肝心のコーヒーを紹介し忘れるところだった。美味しかった。カップと一緒に、豆の名を記したプレートも出てくる。またこの、レトロな書体がいいよねえ。

濃密な空気が流れる店内の丸テーブルで何をしていたかというと、コーヒー(コロンビア)を飲みながらA4サイズの分厚い時刻表をめくっていたのである。蛍光マーカーとふせんを駆使しつつ、18きっぷ旅の計画を練る。不可思議な内装に目を奪われつつ。その成果としての、分刻みの北海道上陸作戦がこれである(https://tokotoko.hatenablog.jp/entry/2016/04/18/210000)。

クラシカルかつ貴族趣味な部分が飽和状態の「珈琲の大学院」。一周まわって、もはやポップな気すらしてきたよ。すぐ向かいにはスターバックスがあるのだけれど、この2店は競合し得ないのだろう。大学院は、他が真似できない世界観を貫いてるからな。未入学の方はぜひ一度行かれたし。