旅と日常のあいだ

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20年に一度、伊勢神宮を建て替えた古材を受け継ぐ島

愛知県は三河湾に浮かぶ、篠島という島に行った。名古屋から電車で半島を南下して河和(こうわ)駅へ。そばの港で高速船に乗り、日間賀島を経由して篠島へ。

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篠島は、しらすの水揚げ量が全国一で、島内に信号機は一つもなくて、唯一のコンビニ(店名=タックメイト)は24時間営業ではなく夜には閉まる、そんな島。

古来から伊勢神宮との関わりが深かったそうで、かつては愛知県ではなく、伊勢神宮のある三重県に属していたらしい。地図を眺めると、確かに名古屋より伊勢の方がずっと近いのだよね。あいだに海があるとはいえ。伊勢神宮といえば、20年に一度の遷宮が有名だ。建物から装束から器から、20年ごとにすべてを造り直して一新するという儀式だ。

神宮を建て替えるということは、それまで使われていた古い木材が不要なものになるということ。その木材はいったいどうなるのかというと、なんとこの篠島に運ばれてきて、島にある神明神社を建てる材料となっているのであった。

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そう、この神社も、20年に一度造り直しているのである。20年の間、伊勢神宮であった木材で。言われてみれば、伊勢神宮の縮小版のようだ。

神明神社を造り直すということは、もとあった神明神社はどうなるのか?もしかしてまた、別の神社を作るのに使われたりするの?はい、そのとおり。

神明神社の社は、これまた島内にある八王子社という神社に移されるのだって。そして八王子社の社は、20年たつと島内のあちらこちらにある小さな社になるのだって。すごい。ちょっと呆然としてしまう。20年単位で受け継がれ、場所を変え、形を変えても絶えることなく信仰を集めているものがある。はじめは伊勢神宮だったものが(それって究極の神々しさって感じがするし、そもそも垣根に隠されて一般参拝者は直接目にすることもできないのだ)、島を渡った数十年ののちに、海風に吹かれてそこにある、島の人にとってごくごく身近な社になるのだ。なんというスケール感。胸が熱くなるよ。

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夏の島といったら海水浴! が、海に惹かれない私は一滴の水にも触れてない。

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西の海岸は夕陽の名所。きれいな夕焼けを見ながら、脚じゅう蚊に刺されてたけど!