旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。




古書と古民家とつきさむの午後

4月23日は「本の日」だよ、本を贈り合う風習があるのだよと教えてもらい(そして本をもらい)、へえ、そんなのあるんだ!と知ったその翌日、静岡市内で開かれた本のイベントへ。「春の探書会」。

静岡市街から車で北に30分、文化財でもある山あいの古民家「鈴木邸」が舞台。門をくぐり、砂利の上の飛び石を進むと、壁の木目も美しい母屋が現れる。長い廊下があり、縁側があり、窓格子には波打ったガラスがはまっている。とても美しい建物。

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靴を脱いで室内にあがる。こちらの和室、あちらの洋間、部屋ごとに違うジャンルの古書が並べられており、好きに出入りしながら本を手にとって過ごせるのだった。合間にはドリップコーヒーやマフィンを売るスペースもあり、自由にくつろげる広間もある。

窓辺に置かれた三人掛けのソファに腰かけて、買ったばかりの本をめくりながらコーヒーを飲む時間の素晴らしさ。隣に座る友人に、「いま私、悩みがひとつも見当たらない。ただただ幸せ。こんなことってあるのだろうか」とか言ってたんだけど、友人はそのときメールの相手とお金のからんだ厄介な交渉の最中であった。それも、私にも関係のある内容で。その意味で私の発言はたいへん能天気だったんだけど、あの瞬間は、圧倒的幸福感に包まれていたのだよね。ごめん、友よ。

本を抱えて、友も私も大好きなカフェつきさむへ。ここで夏の登山計画を練る時間も、これまた幸福なのであった。私の全ホットケーキ体験のなかで最もおいしいホットケーキを食べながら。

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買った古書は、宮脇俊三さんのエッセイとか、世界の切手の図案集とか全部で5冊。なかでもグッとくるのは、昭和42年発行のガイドブック『静岡県の登山・ハイキングコース147選』、100円なり。目次の山の名がいくつか丸で囲んであるのは、おそらく登ったことのある山なのだろうな(私も同じことをやる)。ページの間には新聞の切りぬきもはさまっていた。山に関する読者投稿の記事だったのだけれど(投稿者は静岡県内)、もしかしてこの投稿主が本の持ち主だったのだろうか。自分の送った原稿が新聞に掲載されたのを、切り抜いて本にはさんでおいたのだったりして。

あと、久々のつきさむが良かったので、遠くないうちにまた行こうと自分に誓った。