旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


パリ旅4 ノートルダム大聖堂、EPICEのストール。ピアス紛失事件

パリ旅、3日目の前半。前回の記事はこちら。

 

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 午前7:30、まだ夜の明けきらぬなかを朝ごはんの調達へ出かける。アパートのすぐ脇はムフタール通りという活気のある商店街で、ここにあるパン屋さんでクロワッサンとりんごパイを買い、家に持ち帰って食べる。

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昨夜買ったオレンジジュースやコールスローとともに。今日のクロワッサンは、サクサクではなくモチモチしっとり。バターたっぷりで「ジューシー」というべき食感、ほんのり甘くて噛みごたえがあってたいへんに美味。

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さあ今日も、ゆるーい計画に沿って散策開始だ。まずは9:30の開館をめがけてMちゃんおすすめのサント・シャペル教会へ。前回訪問時は工事中でちゃんと見られなかったとのこと。私は初訪問かつ前知識ゼロで入ったのだが、足を踏み入れた瞬間、ステンドグラスを通して部屋全体に降りそそぐ色と光が美しすぎて息を飲んだ。信仰を持たない私も、そらもう一瞬にして「神様は、いる!」と胸を打たれるような。装飾が精巧すぎてガラスの枚数が多すぎて気が遠くなるようで、見れば見るほど、神様っていうかこれを作った職人はすごいなぁと。

続いてはノートルダム大聖堂へ。塔に上るための列に1時間30分並んだ。屋外で。寒くなって途中でダウンを着込む。平日の午前中、しかもこんな寒空の下でなぜこんなに混んでいるのかわからんよ!と思うが、私たちもその混雑を作る一員なのであった。有名観光地だもんね、いつ来たって混んでるんだろう。館内に入って階段をひたすら上る。上りながらやっと行列の理由がわかった。階段の幅はせまく一人しか通れない。これを上りと下りで併用するため時間差をつけて片側通行させており、ある程度上ると一定の場所に固まって足止めさせられるのである。このせいでやたらと時間がかかるのであった。なんかこれ、仕組みをちょっと工夫すればもっとスムーズにいきそうなんだけどなあ。

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最上階の展望台でリカちゃんを撮影するわたくし。向こう側に落ちないでね

帰りも非効率な進行と停止を繰り返して階段を下りる。セーヌ川沿いを歩き、ルーブル美術館の広場を突っ切ってガラスのピラミッド前でお決まりポーズの写真を撮り、中に入ると一日じゃおさまらないのがわかっているので今回は入らないことにして(モナリザよナポレオンよ、またいつか)、パレ・ロワイヤルの回廊内にあるストールの専門店へ。

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必殺技・先端つまみ。ルーブル前にいる人の8割はこの写真を撮ってる

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回廊に沿って高級ショップが並ぶパレ・ロワイヤル。素敵すぎて萎縮しちゃう

EPICEというパリ発のストールブランド、雑誌で見て気になっていたのだが実際に手に取ってみると実に素敵なのであった。このお店、商品は見えるところには置かれていない。壁一面に引き出しがびっしりついており(昔の薬屋さんのような風情と言えなくもない)、店頭には商品写真が載ったカタログが置かれているのみ。カタログのページを指し示すと、ずらり並んだ引き出しから店員さんがストールを出してきてくれるという。

と書くと高級感と緊張感が張り詰めて恐ろしげであるが(いやほんと、そうと知っていたら怖くて入れんわ)、幸いにも日本人スタッフがいて声をかけてくれたので、あれこれ聞きながらいろいろな柄を試すことができた。それにしても、Mちゃんは赤や緑のはっきりした色や花柄が似合うのだが、同じストールを私が巻くとそこはかとなく「おばあちゃん感」が漂うのはこれいかに。好きな柄・似合う柄・使いやすい柄のはざまで大いに心を揺り動かした挙句、格子とレース編みが重なったような柄のストールを購入。どこの店にでもあるようなデザインではないところが気に入った。

ここで事件。Mちゃんのピアスが片方なくなっていることが発覚。ストールの試着を繰り返すうちに落ちたのかと思われたが店内のどこにも見当たらない。ピアス……、昨日買ったばかりだったのに。同じ店で私はネックレスを買い、おそろいのピンクの石~!って言っていただけにショックの深さは計り知れない。片方だけ残ったピアスをはずすMちゃんに「チェーンを付ければネックレスになるよ」と声をかけつつ、果たして落下現場はルーブルノートルダムか、石畳だらけのこの町で、落としたピアスを探し出すことはできるのだろうかと気持ちが沈む。

気持ちは沈むがお昼の時間である(まったく食欲のやつめ)。「大丈夫だよー!」と明るく振る舞うMちゃんと(なんて気丈な娘さん)、ひとまずは目標のひとつであった「ビストロでごはん」を実現すべく前進あるのみ。

 ▼次回、人気店シャルティエへ。

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