旅と日常のあいだ

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2015年秋、南アルプス・甲斐駒ヶ岳へ

山梨県にある甲斐駒ヶ岳に行ってきた。雲の上の世界。写真は山頂から下るところ。白砂の道が特徴的です。

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甲斐駒ヶ岳、楽な山ではないと知ってはいたが想像以上にハードであった。高山病らしき症状も出て後半はすっかりバテてしまった。登りながらも下りながらも、「もう山なんて登らない」って100回以上思った。「向いてない。しんどい。きらい。何日か経ってこのつらさを忘れて、うっかりまた山に行こうなんて思わないようにしよう、絶対だ」って強く思った。

それなのに、だ。下山してわずか二日後の今、なんと私ときたら、山はいいなあなどと思っているのである! 我ながらあきれる。しかしキツめの山に挑戦すると本当にキツいので、次はゆるくて気持ちのいい山を選んで行きたい。確か6月の八ヶ岳でもそんなことを言ってた気がするけど。「ゆるめのトレーニング」と称して天狗岳のふもとに行ったのに、「せっかくだから山頂に登りたーい、我慢できん!」って天狗岳に登った気がする(https://tokotoko.hatenablog.jp/entry/2015/06/19/203000)。どこまでも懲りない私。

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甲斐駒ヶ岳 @2,967m
2015年9月5日(土)晴れのち曇り  

◆北沢峠7:30-長衛小屋7:55-仙水小屋8:35ー仙水峠9:15-11:25駒津峰11:55-13:25山頂13:40-14:40駒津峰15:00-17:15北沢峠(長衛小屋にてテント泊、翌日帰路)
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楽だったのは初めだけ。なだらかな苔と森の道が気持ちいいなー、南アルプスの懐の深さを感じるわーとか言っていたのだが、このあとの急な登りで、誰もが無口になった。

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森を抜け、岩が積み重なった斜面を登る。陽射しが注ぐわ照り返しが強いわ足元がゴロゴロするわ、まあ歩きにくい。このあと仙水峠という小広場に出る。

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仙水峠から見た景色、左が甲斐駒ヶ岳のピークで、右の丸いのが摩利支天(まりしてん)。二つの山頂間は往復40分くらいということだが、今回は甲斐駒で精いっぱい、足をのばして摩利支天にも……は無理だった。

ここまでの写真で全行程の15%くらい。ここから急な登りになり疲れがのしかかり、写真をほとんど撮っていない。げんなりするような岩場を乗り越えたり、傾斜がきついうえに滑りやすい砂の道をちょこまかと登ったり、なんとも体力を消耗した。山頂の下は花崗岩特有の白い砂の世界、この非日常感あふれる眺めが何よりも特徴であり見どころであり感動ポイントであるはずなのだが、そこを歩きながら考えていたのは冒頭のとおり「もう登山なんかやめよう」ってこと。

今にして思えば、あの無気力感は完全に高山病の症状である。同行者の励ましでなんとか山頂を踏んだ時にはもちろん達成感があったのだが、そのまま座って石にもたれてぼんやりするばかり。山頂に来たっていうのに、結局一枚もシャッターを押さなかった。(だから今回、本当に写真がない!)

天気は悪くなくて、暑すぎず、雨にも降られず。昼前から雲がわいてきたので遠望はかなわなかったけれど、雲の間には青空が見えていて気持ちのよい空だった。下りは、登りとは違うルートでスタート地点の小屋まで一直線。ペースが上がらずコースタイムをだいぶ超えてしまったがなんとか無事下山。ホッとした。

アルプスの登山シーズンは遅くても10月のあたままで。もう絶対に登りたくないと確かに思ったのに、なんとかまた予定をやりくりしようとしている自分がいる。今回、下山後に息が止まるようなトラブルが起こった。それを、みんなで知恵を絞って役割分担して全力で動いて解決したことも、「山と、山の仲間はすばらしい」っていう思いを増幅させてるな。

自分の体力を過信することなく登山靴のひもをギュッと締め直して、あと一回くらいは、間違ってもキツすぎない山へ、時間にも体力にも余裕がありすぎるくらいの山へ行けますように。