旅と日常のあいだ

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午後3時、ビルズで「世界一の朝食」未遂

Mちゃんと二人、表参道ヒルズでエコバッグをもらい、青山のグローブトロッターでネームタグを買い、次なる目的地のビルズへ。詳しいことは何も知らないまま、ただただメディアで言われている「世界一の朝食」というフレーズに惹かれての訪問である。ミーハーさん。

時は15時、もはや朝食という時間ではない。というか、ちょっと前に待ちきれずに昼食も食べたばかりである。周辺にはパンケーキの有名店が多くて、それらと情報がごちゃごちゃになって、そもそもビルズが何の店なのかすらわかってない。まあでも、パンケーキの店だよね?「世界一の朝食」っていうけど、昼も夜もやってるよね?

着席した私たち、パンケーキの文字を探してメニューをくまなく見た結果、重要な事実に気づいた。

 

……ここはパンケーキの店ではなかった。

 

サンドイッチやサラダやトーストの文字が並ぶ中にひとつだけパンケーキの名を冠したメニューがあり、それが「リコッタパンケーキ」なのであった。ああ、そういえば聞いたことある。確か、たいそう軽くてフワフワな口当たりだという噂ではなかったか。

そのリコッタパンケーキ、メニュー表にはこのように書かれていた。

リコッタパンケーキ
w/ フレッシュバナナ、ハニーコームバター

ここで問題が発生。フレッシュバナナとあるが、Mちゃんも私もバナナが苦手なのである。なかでも生のバナナ。できればご遠慮したいシロモノであるが、しかしリコッタパンケーキにはこの一種類しかないのでどうしようもない。

そしてもうひとつ、二行目の「w」。リコッタパンケーキだけじゃなくいろんなメニューに付いてるけど、何の略なのかしら。しばらく眺めているうちにピーンとひらめいた。「フフフ、わかったよMちゃん。これはホイップクリームのことだ。<w>は、whipped cream の頭文字に違いない!」「ああ~そうか。確かに、パンケーキにホイップクリームは不可欠だもんね」「そうとわかれば、バナナの代わりにクリームを多めにしてください、ってお願いしたいよね」

二種類を二人でシェアすることにして、「リコッタパンケーキ」と、もうひとつ

ティラミス フレンチトースト
w/ ポーチドチェリー、カカオブリトル

を頼むことに。ティラミスとクリームとチェリー!絶対おいしい!今度は「ブリトル」が意味不明だけど! オーダー時、念のため店員さんに聞いてみた。「この<w>って何ですか」って。そしたら店員さんの答えが、「ウィズの略です。一緒に出てくる、という意味です」と。 ああ、with、ですか。そうですか。ホイップクリームではなくてね。(このwはホイップクリームの意味ですよね、っていう聞き方をしなくてよかったー!)

ほどなくして出てきたのが、まずはこちら、ティラミス フレンチトースト。

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コーヒーひたひたの食パンを焼いた上に、ジャムの一歩手前な感じに煮詰めたチェリーと、ごくごく軽い口当たりのチーズムースのようなメレンゲのようなもの。薄いカリカリのチョコクッキー的なものが添えられていて、おそらくこれが「ブリトル」なのであろうね、とても美味しかった。

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そして、お待ちかねのリコッタパンケーキ。3枚重ねで見た目にもボリュームがある。お皿の脇にはバナナが豪快に鎮座していて、そればかりかパンケーキの上にもバナナの輪切りが。バナナいらん。

ナイフを入れたら想像以上のふんわり感でびっくりした。生地がシュワッとしている。そして、上に乗っていたのはバナナではなかった。バターだった。これこそがメニューにも書かれている「ハニーコームバター」であり、ビルズといえばコレという名物であるらしかった。予習が足りないのでそこらへんの知識が何もないのだが、ともかくこのバターは美味しかった。パンケーキのふわふわも気に入った。

小麦粉は少なめ、卵は多めの配合なのかなあと思いながら美味しく食べていたのだけれど、ある瞬間にMちゃんが「卵焼き……」とつぶやいた途端、もうどうしようもなく卵焼きにしか思えなくなってしまった。このふわふわな食感も、なんとなく白身っぽい生地も、卵焼きというかオムレツっぽいというか。美味しいことには美味しいんだけど、一人で三枚を食べたら途中で飽きそうな。

何にせよ、話題のビルズを経験できて満足だ。話題の頂点は一年前か二年前くらいだった気もするけれど。今も店内は常に満席、数時間後の予約を求めて客足が途絶えることはないようであった。

この日、Mちゃんと別れた後にメールが来て、「ビルズの『世界一』って、スクランブルエッグのことらしいよ」との情報が。ええっ、そうだったの? まあしかし、ホイップとウィズの区別がつかず、バナナとバターの区別がつかず、ついにはパンケーキと卵焼きの区別すらつかない私たちなので、もはやスクランブルエッグだろうが何だろうが、関係ない気がしないでもないよね。次に行くときに忘れていなかったら、試してみたいと思います。