旅と日常のあいだ

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2012秋 北アルプス、槍ヶ岳登山(5)

2012年秋の槍ヶ岳、登山記録の5回目(これで最後)。前回はの記事はこちら

 槍ヶ岳山荘に宿泊してご来光を迎えたのち、お湯を沸かして朝食を食べ(山荘で買ったマフィンと、粉末のかぼちゃスープ)、天気もいいことなので昨日に続き山頂に登った。一度行った場所なので、距離感とか動きとかがわかってずいぶん楽ちん。本日は霧もなく視界良好、登りながら見る周囲の風景もすっきりと晴れ渡っている。

さて、二度目の山頂。山頂は「く」の字型で足元は岩がゴツゴツ、15人も登ればいっぱいになってしまう。このときはラッキーなことに先客もなく、貸切状態だった。朝の槍ヶ岳山頂を独占。ぜいたく。

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ここはアルプスのど真ん中、ぐるりと見渡すぜんぶがひたすら山、山、山!

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右端の赤い屋根は、今朝がた泊まった槍ヶ岳山荘。そこから写真左奥に続く尾根の先には穂高連峰がある。いつかはこの稜線をずっと縦走するのが夢。できれば今年の夏にでも。

山頂を下り、荷物をまとめて山荘を後にする。午前8時、下山開始。昨日まで2日がかりで登ってきた道を、今日は1日で一気に下る。一ヶ月前の奥穂高では、ルートは違えど下山でめちゃくちゃに疲れて時間がかかり、上高地を出る最終バスに間に合わないという事態になってしまった。今回はその失敗だけは絶対に繰り返さないっ!と心に誓い、テンポよく、ぐんぐんと下る。

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心なしか昨日よりも木々が色づいているような。途中に分岐点があり、まっすぐに下山するルートと、「氷河公園」に往復するルートとに分かれている。ここまで快調なペースで歩けており時間の余裕もありそうなので、予定にはなかったものの、急きょ氷河公園に寄ってみた。往復1時間くらい。

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氷河公園。くぼ地に池があり、槍ヶ岳が写りこむ。逆さ槍って言うのかな?  槍ヶ岳が真正面から見える素敵な構図。

このあと、足の疲れも身体の痛みも特になく、我ながら驚くほどの速いスピードで下山。 二日前に泊まった槍ヶ岳ロッジに立ち寄ってお昼のカレーを食べ、上高地をめざしてさらに下る。

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カレーライス1000円。山小屋で食べるカレーの美味しさといったらもうね。

来るときにも寄った徳沢にて、知っている顔を見つけた。山小屋で2泊とも同じ部屋であり、あれこれ話して名刺までいただいた関西の山男、芋山さん(仮名)である。3名の御一行は、屋外のテーブルにコップや缶を並べてお昼ごはんの最中であった。近づいて行くと「おう、しるこのねーちゃんやないか」とかなんとか言われつつも「まあ座りなはれ」と歓迎され、あれを食えこれも食えと、コーヒーにチーズにチョコレートにいろいろ出してくれた。ゴールを前に、荷物を減らしたいだけなのではなどという無粋な勘ぐりはしないようにして、ありがたく頂戴する。またいつかどこかの山で!と挨拶を交わしてお別れ。

槍ヶ岳山頂を出発してからおよそ7時間後の午後3時過ぎに、最終地点である上高地に戻ってきた。今回は時間配分もよく、疲労の程度も軽く、よって気分も明るい。山岳風景を楽しむ観光客にまぎれてガチな登山スタイルで名物ソフトクリームを食べ、たくさんの素晴らしい景色を思い返しつつ帰路についたのでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・

おまけ

下山の夜は松本に宿泊し、翌日は安曇野へ。近くにいいパン屋さんはないかな~と本やネットで探しつつたまたま見つけて入ったお店が、とても美味しかった。そして入ってから思い出したのだが、たぶんここ、7年くらい前に来たことがある。友人Mちゃんと松本・安曇野旅をしたとき、ここでパンを買ったような気がするんだがどうだったかなあ。

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この日は昼ごろから甲信・東海あたりに台風が接近し、静岡に戻る道中でものすごい暴風雨に見舞われた。静岡に着いてみるとJRも静鉄もストップしている。当然、槍ヶ岳も大荒れだったらしい。台風をよけていいタイミングで行って帰ってこれて幸いであったわ。

以上、2012年槍ヶ岳記録、終わり。