旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


竹田城めざして兵庫旅3<山男と再会、そして皿そば>

▼前回、竹田城に行った話はこちら

さて、兵庫県朝来市竹田城を後にして、向かうは再び京都府福知山市。今年の9月に槍ヶ岳に登った折(2012秋 北アルプス、槍ヶ岳登山)、山小屋で知りあった愉快な登山グループがあって代表の方の連絡先を聞いていたのだが、そのお住まいというのがまさに福知山市であったのである。今回、竹田城に行くにあたって地図を見ていたら「福知山市が近い!隣だ!」ということがわかり、突然訪ねていったらどうなるかな、おもしろいだろうな、行ってみよう!!ってことで、前日に突然「明日、竹田城に行きます。近いのでお顔が見たいですー」とダメもとで連絡。そしたら「空いてます、いらっしゃい」とのうれしいお返事があり、「どこそこのドライブインで待ち合わせましょう」と指令が。

ということで指定のドライブインに行き、槍ヶ岳以来2カ月ぶりの再会。京都をはじめ関西の遊び仲間を引き連れて登山やら何やら元気なことをやってる70歳の元気すぎるおっちゃんと、「また会いましょう」という言葉を口約束にせずに本当にまた会えた!

お昼ごはんに連れて行ってくれるというのでおっちゃんの運転する軽トラ(かなりのハイスピード)についていったところ、たどり着いたのはごはん屋さんではなく、おっちゃんのご自宅であった(笑) 「知らないおじさんにホイホイついて行ってはいけません」という言葉がよぎりそうになるが、単独行動ではないのでご安心ください、念のため。

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夜久野(やくの)町という山あいのまち。そこから見る山には雪が積もっていた。そうだった、観光地ではないこういう京都もあるんだな、と思った。そういえば私、京都って、京都市の本当に街中にしか行ったことがなかったのだった。

 

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おっちゃんの自宅の、離れ? 秘密基地みたいな部屋。山の道具に各地の酒瓶に猟の道具。囲炉裏でお湯を沸かしてコーヒーを淹れてくれた。シカやイノシシを狩る話とか。なんかもう、やることなすことカッコイイ。遊び好きなワイルドやんちゃじいさん。

小一時間くらいご自宅にお邪魔したかしら。それじゃあお昼ごはんに行こうかと出発し、軽トラに誘導されてクルマを走らせる。何となくすぐ近くの店なのかなと想像していたのだが、まったく違った。走ること数十分、どこをどう進んだのかもわからぬうちに京都を出て再び兵庫に入っており、気がついたらあたりは観光客でにぎわう一帯になっていて、そこは出石(いずし)町という場所であったのだった。

出石町の、出石皿そばというのが有名なのだって。まったく知らなかった! 小皿に数口分ずつのそばが盛られていて、あらかじめ5枚単位で注文しておいて、とろろや卵をつけて食べるのだって。出石皿そばを出す店は実にたくさんあるようで、しかしおっちゃんは「絶対にここがおすすめ」という一軒に連れて行ってくれて、初めての私は勝手がわからないながらもおっちゃんのアドバイスにしたがって3人で40枚を注文。待つことしばし、巨大なお盆にまずは半分の20枚がやってきた。

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わあ! どんどん食べて、空いたお皿を重ねていくよ!

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お皿のメッセージに後押しされて、私の記録は11枚。

このあと、さらに「コウノトリ公園」に連れて行ってやるよというおっちゃんのご厚意を時間の都合もあって丁重にお断りし、「今度は雪山で会おう!シカを1頭さばいて鍋をやるから!」というこれまたワイルドなお誘いを受けつつお別れ。農家でもあるおっちゃんにお土産としてもらったのは、自分の畑でとれたという米袋いっぱいのササニシキ30キログラム!! なんてありがたい。

おっちゃんの住む夜久野町では野菜もいろいろとれるのだそう。道中の直売所には、見たことのない種類のお芋や、手のひらくらい大きなシイタケや、ほかにもたくさんの野菜を売っていた。

私が買ったのは大量のぎんなん。そして今、これを大量に食べて過ごした結果、ぎんなんの中毒成分によって若干の腹痛に見舞われている次第。これはぎんなん好きの宿命であるので、甘んじて受け入れ、る……。

出石町を後にして、次に向かうは神戸。お洒落な神戸! 港町神戸! キラキラ神戸!ここまでひたすら渋くてマニアックな京都・兵庫旅であったが、最終日はやっと若者らしい(?)素敵神戸になる、はず。