旅と日常のあいだ

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友人を生徒に、盆栽教室@ベランダ

連休中、友人Uと遊んだ。Uからは「盆栽を作りたいのでやり方を教えて」とのリクエスト。土と鉢はうちにあったものを使うことにして、苗を買いに二人でホームセンターへ行く。

「盆栽をやりたいなんて変わってるねえ、一体なんでそんなものを始めようと思ったの」と私。「それはこっちのセリフですよ」とU。「まあしかし、今日はみどりの日だし、盆栽デビューにはもってこいかもしれんね」とかなんとか言いながら、気温があがって夏みたいに暑い道をてくてく歩いてホームセンターに到着。Uは五葉松とハゼを、私は四季咲きコスモスとバジルを買った。バジルは盆栽ではなく完全に食用である。

うちに持って帰って、さっそくベランダで作業開始。ベランダにレジャーシートを広げて座り、二人で仲良く土いじりである。 混雑する行楽地でもなくショッピングでもなくカフェでおしゃべりでもなく、ベランダで盆栽づくりに興じるおなごたち。根をほぐしたり、鉢に土を入れたり、箸でつついて根を整えたりする合間にも、ぺちゃくちゃと近況報告。なんて平和な休日の午後!

なんだかんだで1時間半くらい作業に熱中する。新しい鉢に植え替えて根元に苔も貼ったUの初盆栽は見た目も上々で、「これは素敵!」「いかにも盆栽らしくなったね」と自画自賛。うまくすれば、これから数年先、数十年先までも楽しめるものであり、そのときに、今日のことを思い返して「あのみどりの日にベランダで一緒に盆栽を作ったよねー」とか言いあえたらすごいな。たとえば20年後、50歳を過ぎたころ(!)とかに。

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私の四季咲きコスモスはこのような感じ。

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盆栽棚は緑いっぱいのにぎやかな時期。

このあと、部屋でPerfumeのライブDVDを鑑賞してかしゆかのスカート丈の短さについて考察したあと、夜ごはんを食べに伝馬町のイタリアンレストラン「ソーロイオ」へ。つぶ貝の香草焼きも、富山産白エビのフリットも、空豆とチーズのリゾットも、みんな美味しかった。

Uに、「最近、人生の残り時間は有限だということを急に意識し始めて、焦っている」と言ったら、「早すぎる!」と言われた。「本格的に楽しいのはこれからなのに」と。そうなのよ。これからどんどん楽しくなる!と思うのと同時に、この楽しさはいつまで続くのか?ということを考えちゃうわけなのよ。この不意にとらわれる物思いは、五月という時節柄ゆえなのかしら。

盆栽の桜の枝が伸びているので、枝を切って土に挿し、挿し木にして苗を増やしたい。今作業をすると、しっかり根付いて苗として使えるのは一年後。それを鉢に植え替えて盆栽用に仕立てるのはさらにその半年後くらい。盆栽世界の作業にはこういう長期計画が多くて、これもなんか焦る。焦るのは私だけで、盆栽自身はまったく泰然自若としているのになあ。