かねてより計画していた桜旅は順調に進行中。開花状況をにらみつつ、週末ごとに花から花へ飛び回っている。行く先々で出会う桜はみんな明るくて凛としていて圧倒的。胸が騒いで不思議なドキドキに満たされてしまう。ああ、春の気分と桜って、どうしてこんなにもよく似合うのか。
まずは鈍行列車を乗り継いで、老齢の一本桜を訪ねる。
3月30日、神奈川県小田原市。長興山紹太寺の枝垂れ桜は今が盛り。
再び列車で移動し、同日、山梨県身延町。身延山久遠寺の枝垂れ桜は煙るような細い雨に霞んでいた。
樹齢300年とか400年とか、それだけの時間を生きるというのはどういうことだろう。桜の回りはしんとしていて、ただ花びらだけが静かに降っている。いまここで目を閉じて開けたら、世界が桜色に染まっているかもしれない。いまここで祈れば、どんな願いも叶ってしまうかもしれない。次なる桜旅は、京都に続く。